東京23区の財政制度から見る目黒区
投稿者: つちや克彦 カテゴリー: 01.政策関連, 08.国政/地方政治 投稿日: 2012年5月3日
東京の23区は特別区と呼ばれ、特殊な制度で運用されています。その表面的な部分については、大阪維新の会で大阪都構想というものでかじられています。功罪あるのですが、23区の歴史は、東京都の従属物であった特別区が、独立した「市」としての権利を得るための歴史で、その中で現在の「どっちつかずの制度」に落ち着いています。…本当は平成12年から市の権限を持てるようになっているのですが、東京都が現都知事になって以来、都が権限を手放そうとしないので泥沼化しているというところもあります。
特別区の財政制度
(1) 特別区税
特別区が課する税目は、法定普通税として特別区民税(市町村民税個人分)、軽自動車税、特別区たばこ税・鉱産税であり、法定目的税として入湯税があります。
なお、市町村税のうち、市町村民税法人分、固定資産税、特別土地保有税、事業所税、都市計画税は都税(都の特例)とされています。
特別区と都の特例は、市の事務の特別区と都との分担に応ずる財源配分を目的としていますが、この税源配分に加えて(3)の都区財政調整制度において財源配分の均衡化を図っています。
(2) 地方交付税(略) ※23区にはありません。
目黒区が収入を税金でまかなおうとしたら、特別区民税の個人分を上げる以外は期待できません。基本的に所得に応じて課税されるものですから、目黒区の生産者人口の増加、あるいは「景気回復」以外で特別区民税の増収は期待できません。結局、地方自治体としての目黒区は、国に対して景気回復を強く要請することを続けなければならず、それはどの区市町村でも同じことです。
裏を返せば、景気回復に逆行する政策に対しては、地方自治体、とくに東京23区は大きな声で反対の声を上げなければならないのが現実です。しかしながらなぜか、ほとんどの議会は静かにしていますし、ほとんどの23区区長はおとなしくしています。国のことは国が決めること、とばかりに遠くで起きていると思ってでもいるのでしょうか。
(3) 都区財政調整制度
都区財政調整制度は、都と特別区における大都市制度である「特別区制度」を前提としたもので、特別区の財政制度の最大の特徴です。
これは、都と特別区及び特別区相互間の財源の均衡化を図り、特別区の行政の自主的かつ計画的な運営を確保するために設けられたものであり、都区間の財源配分と特別区相互間の財源調整という二つの重要な機能をもっています。基本的なしくみは、都が課税・徴収する市町村税のうち、固定資産税、市町村民税法人分、特別土地保有税の収入額の一定割合(平成19年度から55%)を財源として、各区に「特別区財政調整交付金」として交付するものです。
交付金には、普通交付金と特別交付金の2種類があり、交付金の総額の95%が普通交付金、5%が特別交付金となります。普通交付金は、都が各区の基準財政需要額と基準財政収入額を算定し、需要額が収入額を超える特別区にその財源不足額に応じて交付し、特別交付金は、災害等により特別の財政需要があるなど特別の事情のある特別区に交付します。
目黒区が行う事業のうち多くのものは補助金を活用しています。たとえば公園についてはほとんどの部分が財政調整制度のもとで確保されます(時間的なズレはあります)。要するに「需要額」というものが基準となる財政収入額を超えているときに、そこを補填してくれるという方法です。
しかしこれ以外に特別交付金があり、この部分で新しい施策を実行している他区の事例もあります。補助金は「うまく理由をつける」ことが基本にあり、その理由を通すためには「都とのパイプを強くしておく」という方法が必要になります。政治交渉も最後の部分は人間関係になります。
残念なことに目黒区は、現区長が学校校庭の人工芝生化というものを推進しており、現都知事は学校校庭の天然芝生化を推奨している(補助金で非常に安く導入できるようにしている)という意見相違などもあり、都とのパイプは途切れているも同然です。だいたいもう予算もないのだからあきらめればいいのに、未だに人工芝にこだわるところとか、政治家としてどうなのかと首をひねらざるを得ません。
もちろん目黒区も東京都も行政組織同士なので正しい名目で出した補助金を拒絶することはありませんが、それを超える部分については、副区長以下、部長課長級の努力でどうにか補助金活用を増やそうとしているのが実情です。むしろ区長がいない方がうまくまわるんじゃないかと思うこともありました。
とくに連載記事で続きを書く気はありません。ただ「この目黒区の財政窮状をどうすべきか」の点でしっかり考えてくれているのか、行政のみならず議会に対しても非常に疑問があります。国が景気悪化を進めようとしているのだから、今の目黒区で進める方法は3つしかありません。
1.支出を減らす = 行政改革、厳しく身を切るレベルまで行かなければ足りない。
2.収入を増やす = 景気回復の推進、生産人口の増加(人口構造の長期的改善)
財調特別交付金やそれ以外の補助金の積極的な活用。
税外収入の創出。
どうすべきか。どれだけの行政職員、どれだけの議員が考えているのでしょう。
まあ、それ以前に日本銀行が金融緩和でどっかーっと日本銀行券(円)を刷ってくれたほうが話が早いのは言うまでもないのですけれど。いつも他国に追従するのに、なんでかこの件だけ欧米の景気対策事例に学ばないのが不思議です。日本銀行は日本を潰したいのだろうか。
目黒区の行革について
誰か言うだろうから言うまでもないと私は思っていたけど、どうにも気づいてないのではないかと感じたので、あえて書きます。
目黒区の行革計画自体は正しいことを書いている部分が多い。しかし根幹の行政運営では『職員数が多いのにもかかわらず、さらに「外注」を進めて予算を圧迫する』という不可思議な経営方法が問題です。
人件費を削る努力も必要ですが、「クビにしない労働力を使い切る」こと、外に投げている仕事を内側で処理することでの事業経費削減の方が、失業者を増やすリストラ政策よりはるかにプラスに働くことを考えて欲しい。
「役所は人間がたくさんいる中で事業を効率化する」ことが求められる。「民間は人間を雇わないために外注する」ことを進めている。
前提条件が違うのだから解決策は民間と同じではないということぐらい分からないものでしょうか。もちろん民力活用は必要ですが、丸投げの生活安全パトロールとか、丸投げのアンケート発送・集計業務とか、専門性などいらないものまでなんでもかんでも外注するのが悪いんです。自分でやりなさい。公務員は仕事するために報酬を受け取っているんです。
家計で言えば簡単です。自炊すれば安くすむのに、外食ばかりしていれば生活が厳しくなる。
民間なら、コンビニエンスストアのレジ打ちのアルバイトだって、レジを打たない開店前や閉店後、レジを打っていない時、いろいろ別の仕事をします。商品チェック、品出し、倉庫整理、店内掃除、商品制作(揚げ物とか蒸しものとか)。なぜか役所の職員はあまり複数の仕事をやろうとしない。このあたりが「労働力を使い切ってない」わけで、「怠けているように見える」原因です。なんで気づかないのだろう。
このぐらい、いいかげん行政も議会も、ちゃんと気づいてるなら正してください。
目黒区の現状説明(選挙中の質問返答より)
投稿者: つちや克彦 カテゴリー: 01.政策関連, 08.国政/地方政治 投稿日: 2012年4月23日
先生が政治の世界に戻られる決断をしたこと、有権者として嬉しく思います。一方で、修羅の道から開放された先生が、またこのつらい道に戻られるのが(お体やご家族との関係の観点で)心配でもありますが。
さて、公職選挙法の絡みもあって、ご回答が頂けるか分かりませんが、今回の区長選に関して2点質問があります。(1)そもそも、現在の目黒区の財政難の原因は何なのでしょう?
皆がいろいろなことを言っていて、何が原因か分かりません。ある人(共産や独歩あたり)は「区長が再開発や箱物行政に傾倒して、金を使いすぎたのが原因」と言います。が、ある人(たしかかもしだ先生のブログだったか)は「再開発への目黒区の支出は、都からの補助金を転送しただけ(実際の目黒区の持ち出しなんて知れたもの)」と言います。ある人は「目黒区には有力な法人が無く、住民税に頼った運営だったが、不況でそれが激減した」と言います。実際何が原因なのでしょう?あるいは先生は何が拙かったとお考えですか?
(1)目黒区の財政難をイメージしやすく病気で例えると「中年の成人病(生活習慣病)」です。
若い頃からの不摂生で内臓や血管が弱っている。血液もどろどろで澱んでいる。血圧も高くなり、さらに内蔵に負担をかけ、体調不良のスパイラルに巻き込まれている。
↓
数十年前の、目黒区が開発されてきた時代の建設物が老朽化し、全体的な施設改修が山積みになっている。区役所の職員は施設自体の補修には知恵を使うけれど、自分たちの身を切ってまで補修を進める財源にするほどの熱意は薄い。公務員の悪弊「自分の仕事以外はやらない病」に冒されて、目の前の仕事をただ片づけることで目をそらしている人も多い。目をそらしている間にさらに問題が悪化している。
現在の区長はこれをさらに大規模な外科手術で治そうとしていて、私は適切な投薬と生活改善で治さねばならないと言っています。
↓
現区長は待機児童が増えれば保育園を特養ホームが足りなければ特養ホームをつくり、目黒区単独の予算でつくろうとしている。職員は退職不補充で減らすことを進めている。そのくせ外注している多くの作業を区役所で処理しようとはしない。
福祉であれハコモノは民間協力や自治体間協力、都や国の補助金を最大限活用して目黒区の予算支出を最大限削減したい。さらに保育所や病院併設の集団住宅開発、軽費老人ホームの民間での建設誘導。親子三世代の同居・近居への助成で核家族化から大家族制に現状を近づけ、生産者人口の増加を進めると同時に、独居高齢者問題(緊急時・災害時要援護者対策)と保育対策まで一定部分解決する。目黒区だけで対策する現状から、みんなで解決する問題に引き上げていく。
そして同時に区役所内の事務整理で縦割り組織の弊害である類似事業の統廃合を進め、不要な外注作業・時代に合わない外郭団体など二重行政窓口を整理し、浮いた職員で新たな税外収入を得られる部署を作ると同時に全体の組織構成を再編して、今後必要となる新たな自治体のビジネスモデルを構築しようとしています。
私以外の候補者に共通するのは、「区役所の中身は変えない」という現状維持ですが、私たちはまさにそのお役所体質という生活こそ改善しなければならない慢性病の原因であると主張しています。
(2)青木区長の手腕はどうだったのでしょう?
青木区長の8年で財政が惨たんたる状況になったのは明白で、その原因が外的要因であれ失政であれ、区長が区の経営者としての責任を免れる道理は何もないと私は考えています。ただ、それはさておき、区長の経営手腕に対する是々非々の評価は知りたい。「区長の失政が財政悪化を招いた」のか「失政まではなかったが、外的要因に十分な手が打てなかった」のか「むしろ外的要因に適切策を打ち、故にこの程度の悪化ですんだ」のか、先生はどう評価されますか?
(2)現在の区長は予算がふんだんにある時代なら名区長として名を残せたかもしれません。
誰に対しても優しく、誰に対しても予算をかける。区民の誰にも区別なく、また行政職員の誰にも甘い。自分自身で大きな決断は下さず、なにごとも審議会や有識者に意見を求めて時間をかけて意向調査を行い、それを行政機関に丸投げして、さらに議論してでた結論を区長の名のもとに執行しました。そうやって集まった税金をただ消費するという「お金を使う」ことについてなら、才能はあると思います。
しかしその才能は、現在の社会状況では真逆の才能です。薄着しすぎて風邪で高熱が出始めている患者にとっては、屋外の乾布摩擦や健康づくりのウォーキングは病気の悪化要因でしかありません。
失政といえるのは「自分で決めなかった」ことです。行政機関や有識者に丸投げして企画も判断も任せた。だから自分に責任があるともあまり思っていない。丸投げした結果、判断する政治家でなく役所の代弁者になってしまった。まるで国の省庁取り込まれた大臣のように、役所のいうことだけが真実だと信じるようになってしまった。だからさらに、「決められない」ように負のスパイラルに落ち込んでいる。そう考え、今必要なことはこの「決められない政治からの脱却」であると主張しています。
区長選挙結果、次点でした。
投稿者: つちや克彦 カテゴリー: 07.目黒区の事件, 08.国政/地方政治 投稿日: 2012年4月23日
■目黒区長選挙(平成24年4月22日)
1.青木英二 無所属 29,203 民・公・社(得票率50.7%)
2.つちや克彦 無所属 14,743 (得票率25.6%)
3.松尾信彦 無所属 10,127 共 (得票率17.6%)
4.後藤輝樹 無所属 2,051 (得票率3.6%)
投票者総数 57,565 無効票1,441
力及ばず次点となりました。申し訳ありません。完全に組織票に負けました。
【過去の選挙】
■平成20年4月20日 投票率27.27%
無所属 青木英二 35,515 自・民・公・社 (得票率62.7%)
無所属 野沢まり子 13,042 共 (得票率23%)
無所属 安久美与子 8,124 (得票率14.3%)
有効投票数 56,681
■平成16年4月25日 投票率31.75%
無所属 青木英二 27,114 民・社 (得票率42.3%)
無所属 桜井雅彦 23,217 自・公 (得票率36.2%)
無所属 中村正子 13,826 共 (得票率21.6%)
有効投票数 64,157
おお、今気づきましたが、どれでも共産党の票数・得票率に勝ってました。善戦も善戦です。
都議選や国政選挙のように投票率40%オーバーなら十分勝てるくらいの区民の反応でした。仮説で言うなら、青木さんとも組織票抜きなら100%勝てたと感じるほどでした。しかし低投票率のもとではどうにもなりません。でもそんなのは結局のところ負け犬の遠吠えにすぎません。
行政組織はこの票から「行政批判の意味」を重く受け止めていただきたいものです。行革計画を進めるなら迅速でなければならない。そしてまず「自らの身を削る」ことが求められている。しばらくはお手並みを見せていただきます。
4月22日は目黒区の区長選挙です。
政治を変えるには皆様の声が必要です。どのような選択であれ、投票に行きましょう。
ほんの一握り、25%程度の投票で決まる区長選挙なんて、目黒区の恥です。
※選挙期間中はブログ更新をしません。コメントでメールアドレスを明記していただければ質問などには返信しています。(ただしメールアドレスが不正ですと返信できません。ご了承ください。)
消費税を上げる前に区長報酬を半減する会
投稿者: つちや克彦 カテゴリー: 01.政策関連, 08.国政/地方政治 投稿日: 2012年4月13日
私は表題の会(リンクあり)から推薦されている。区長の報酬自体が高すぎるので半減したいというのはもともと何度か雑談では言っていた。もちろん退職金も含めての話。「どうしたら最低限の条例改正で区長報酬を半減させられるか。」と考え続けていた。
実際のところは退職金の複数回払いとか細かいものも削りたいのだけれど、最初から完全な条例を作るのは難しい。だったら本給をざっくり半減させれば手当や退職金もそのまま半減される。それを遡及適用してしまえば、現職区長の退職金も取り返せる。6月議会でなら確実に実行できる。こんなことを具体的に話していたら、表題の会が発足することになった。
増税の前にやることがある。それは多くの政治家が言う。しかしその「やること」を実行した政治家は数えるほどしかいない。自分の報酬を供託する人だってほとんどいない。まずひとつの波を作るために、トップは必ず経営責任を負うという常識を、政界にも広めるために、やはり失政したときの責任者からは取り返すべきだと思う。
そんなわけで最近は、『消費税を上げる前に区長報酬を半減する会』ののぼりを立てて駅前で街頭演説をしている。反響は悪くない。問題は投票率だ。投票率が下がればどうしても現職が有利になる。青木区長だけは引責辞任してもらわないと困ると、私は思っている。
だってそうでしょう? 23区でトップクラスの財政力の目黒区を、23区でビリッケツの財政状況に落ち込ませたのだから。例えばトヨ○自動車の社長が8年社長に在籍して、気づいたら自動車業界のビリッケツになってたら、普通は引責辞任でしょう。(いや、もっと前に辞任すると思いますけど、責任感がある普通の人なら)
今度の区長選挙は信任投票ではなく、不信任投票の選挙だと、私は思っている。ノーを突きつけなければ、権力を握って好き勝手にしてる人の耳には届かない。ダメなものはダメ。ただそれだけなんだ。
簡単な経済のお話 その3
マスメディアや政府が発表する大嘘の一つ。「国の借金が1000兆円もある」というのは面白くなるくらいの嘘で、情けない。
正確に言えば「政府の借金が1000兆円ある」というだけ。では誰から借りているのか。ここが大問題。どう思います? これは「国債」です。円建ての国債であれば、国内の誰かが買っている。つまり国内の「国民」が債権者になっている。つまり「国民に借金はない。むしろ国民は政府に金を貸している」ということ。
なにが大嘘か。1000兆円の債権者(貸している側)が国民なので、国民は借金ではなく資産を持っていることになる。国民が預金したお金をもとにして銀行が国債を買って、その利息の一部を国民に還元している。これは間違いのない事実。国は、国民に返さなければならない借金を負っており、国民はなんの借金も背負っておらず、実は政府に「貸している側」だということになる。
そういう借金を背負った政府が自分の借金を返すために、お金を貸してくれている国民から増税で巻き上げようとしている。言い換えれば「借金を棒引きにしようとしている」ってのが現在の状態。酷い話ですよ。本当に。
だから、「国民はひとりにつき750万円の借金を背負っている」という大嘘を聞くたびに「国民は政府に一人750万円の金を貸している」だろ?と聞き返したくなる。銀行は政府から利息を得て、国民の金を国債として買っている。大昔は大型開発に使われていた税金が、今は金融業会に使われているというだけのこと。
だから、だまされないでください。
あなたは国に借金などありません。政府はあなたに「国債」に相当する借金を持っています。その資産である債権を後代に受け継いでも、何も困りません。国は返したくないからごまかしたいのでしょうが…。
かるい経済のお話 その2
投稿者: つちや克彦 カテゴリー: 00.コラム/見解, 08.国政/地方政治 投稿日: 2012年3月28日
1995年からなんで数年連続マイナスになるか。このへんで歴史を見てみる。1994年成立した村山内閣が同年11月に97年から5%に税率を上げる法案を通した。無関係なわけがない。デフレが始まりつつあるところと、バブル崩壊で債権処理で苦労しているところに爆弾を仕掛けたようなもの。インフレの時に上げるのはちょうど良い抑制効果を出す消費税も、デフレ時ではマイナスにしかならない。
では今、2012年はどうか。私が予言しなくても結果は出ているも同然。
今、税と社会保障の一体改革という名目でやっているものは、現時点においては、ほぼ目くらましだと断言できる。この景気で社会保障費の徴収率がどんどん下がっている。国民健康保険も年金も、徴収がうまくいかない。だから財務省一括で納税の義務に則って取り上げちまおうというのが思惑。本来の「税と社会保障の一体改革」ならば、国民総背番号制による事務軽減+各種保険料廃止+増税がセットになっている。けれど、今論議されているものは「下がった徴収分を税で補えば良いじゃん」というレベル。
まず8%、次に10%、そこで終わらずさらに上げる予定だ。実は国の資料に載っている。昨年7月25日に出ている「税と社会保障の一体改革(概容)」では3ページ、基本的姿の2に「2015年度段階での財政健全化目標の達成に向かうことで、同時達成への一里塚が築かれる。」と明確に、終わりではないという宣言があり、「税と社会保障の一体改革(本編)」では12ページなどで「消費税制度の信頼性を確保するため、いっそうの課税の適正化を行う…」と、課税強化を強く示唆している。だけどマスメディアは全然騒がない。役所の文言ぐらい普通に読み解けるジャーナリストはいないのか。この国のジャーナリズムは、ただの政府広報に成り下がっている。批判精神はどこにいった。
財政再建は必要だ。しかしそれは歳出削減と、景気回復による歳入増加を推進する前提でなければならない。税率改正による歳入増加など見込めない。
今の消費税は「取引税」で、消費者が支払うのではなく「取引が起きるたびに支払われる」制度だから、小さな商店街の自営業者とか、仕入れて販売する小売業者は仕入先から仕入れるだけで支払わされる。間が増えれば増えるほど末端価格が上がる。影響が少ないのは生産・製造・販売をすべて担える大企業だけ。おそろしく明確な大企業優遇税制だ。
大企業だけ景気良くしてどうするの? 雇用増えると思うの? 末端の小売業者全滅で失業者増やしたいの? 商店街全部なくしたいの?
今の政府は経済政策で「人間の生活」を見ていない。「税収」という数字しか見ていない。人が集まって国になる。国があって国民がいるんじゃない。地方を荒廃させる政策ばかり進めて、なにが復興支援なのか。全部国営企業の巨大な政府でもつくりたいのか。そうとしか思えない。
原子力発電に関する見解
私はさらりと言って良いなら「脱原発」という部類に属する。ただ、そこにはいろいろな思いが交錯した結果であることは間違いない。
原発の問題点を挙げるなら第一は「人間が管理するには人間が未熟すぎて管理が甘くなって事故がおきやすい点が問題」なのであって、システムとしての原子力活用は科学者なら考える「夢の永久機関」に通じるものがある。核融合炉というのはSF世界では昔から論じられている。原子同士の分裂変化を活用する核分裂炉が原子力発電であるのだから。
とは言ってもだ。実のところ蒸気機関の時代から変わらず、タービンを回して発電しているというのが、実のところ「電気」というものを発生させる根本にあるのは変わらない。太陽熱発電は少し違うが、他の発電技術はほぼ同じだ。水力は水の移動で、火力は蒸気で、原子力も蒸気で、波力・潮力は水の移動で、風力は風の移動で、地熱は蒸気で…。ソーラー以外はタービンを回す事が基本。どれかにこだわる必要なんてのはもともとない。もちろん自然破壊・影響や事業採算性にはこだわるわけだけども。
発電と同時に問題になるのが送電。送電効率化のために超伝導(距離でエネルギーが減衰しない)技術が求められていたわけだ。…話が外れそうなので戻そう。
脱原発で解決しづらい問題は失業者対策だ。原発や関連企業、いろいろある。どれだけの人数がいるか。問題はそこなんだ。まあ要するにだ。「狂牛病が流行ったら牛を育てることを全面禁止にして畜産業をやめさせる」こともありえないし、「火事でたくさんの家が類焼したから木造建築を禁止にしてとび職をやめさせる」こともありえない。将来的に原発を全面廃止にするのは選択としてなんら問題ないとしても、そこに携わるある程度の人についての対策が求められる。
それぞれの人に人生があり、生活がある。それは日本国憲法が大切にしている「基本的人権の尊重」に繋がる、「人間らしく生きる権利」の問題だ。そこが難しいから、解決策をすぐに出すことが難しい。
かるい経済のお話 その1
投稿者: つちや克彦 カテゴリー: 00.コラム/見解, 08.国政/地方政治 投稿日: 2012年3月25日
日本の現状で増税するのはただの愚策。政府は増税一辺倒。マスメディアは増税の大合唱。さながら指揮者とオーケストラ。作曲家は財務省だと思うところだけども。
日本を潰したいのかなー?と本気で思う。代表的な意見をいくつか論破してみる。
「将来世代に借金を残していいんですか?」 良いんです。国は人間じゃありません。むしろ企業と似ている。一定の借金は常にある。ローンが完済されることなどない。企業に置き換えると、ある企業が、自社株を社員に持たせているのが現在の日本。買い占められて、一気に売られて大暴落とか、起きません。
「ギリシャみたいになってもいいんですか?」 なりません。ギリシャの酷さは公務員数(公務員天国)と、総貯蓄の問題。税金を国民の34%を占める国と、16.4%の国を比較する無意味さと、GDP比較で分かってください。さらに言うなら、ギリシャは国民総生産比較で貯蓄率がマイナス6%、日本は10%程度。もちろん家計貯蓄率ではなく、企業も含めています。(家計貯蓄率は3.4%程度だったはず)
GDPの10%は毎年消費に回っていないので、不景気が助長されていく。銀行に塩漬けになっている試算を市場に出回らせないと、経済が回らない。だからたくさん借りて欲しい!と0パーセント金利を続けていますが、借りません。だって怖いんだもん。バブルはじけて以来、企業も個人も借金が怖い。だから借りない。借りるのは一部の運転資金程度。
この借り控えに加えて、bis規制。国債銀行の自己資本比率8%を守らないと信用されないという国債条項。EUが苦労しているのはこの規制の方が問題にあったりもする。もともと借り控え状況の日本は塩漬け貯金の活用がすっごく問題。
そこで短絡的に、貯金を吐き出させたいから「貯金に税金をかける」とかいうボケたことをいう人までいる。あのねえ。そんなことしたら即海外銀行に資産移転するでしょ? 本当に国全体潰したいんですか。貯蓄税は大阪維新の会も一瞬だけ唱えたけど、間違いに気づいたのだろう、あっさり撤回している。
じゃどうします? となると実はすごくシンプルで、銀行の塩漬け資産を借り出せる決断が下せるのは『国や自治体』だけだったりする。だって市場にお金が回らないから不景気なのに、不景気だから皆で貯蓄します、自治体も企業も個人も…となれば、何も動かない。だから不景気がスパイラルになる。
そういう意味では、過去20年間に及ぶ、バブル破綻からのバラマキ政策、公共事業投資路線は、実は正しかったということになる。確かに名目上の借金は増えた。国債は230兆にも及ぶ。しかしその間、どうなったか。バブル最盛期(末期)1989年には2.9兆程度のGDPが2010年には5.4兆を超えた。1995年の5.2兆程度よりも上で、さらに言うとバブル以来、一度たりとも、バブル最盛期より下になったことがない。
ヨーロッパなどの不況にあえぐ諸国から見たら、日本のバブル破綻以来の成長ぶりは「成功事例」なのだ。
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